地域商社で1次産品拡販 鹿児島・長島町、地域おこし協力隊員
2017/8/16 21:41
鹿児島県長島町の地域おこし協力隊員が共同出資して地域商社を設立した。特産品である1次産品のブランド向上・販路拡大支援や町内外の高校生が参加するアクティブラーニング(双方向型学習)など地方創生策の一部を担当。地域資源を生かした新たな事業にも取り組み、収益を確保できる産業モデルづくりをめざす。
設立した「長島未来企画」は資本金50万円。合同会社で、現在11人いる地域おこし協力隊員のうち7人が出資した。代表社員には、長島町の地方創生統括監を6月から務める土井隆氏が就いた。
大都市圏のシェフが町を訪れて食材生産者と交流するツアーを手掛ける太田良冠氏らが産業振興部門を担当。民泊先の農家などの事業を紹介するホームページを高校生が作る職業体験型プログラムを運営している間瀬海太氏らが教育部門を受け持つ。観光部門と定住移住部門は益田啓光氏が担い、調査研究・自治体向けコンサルティングもテーマとする。
取り組みの一環で、長島町の食材をPRするイベントを近接する出水市の施設で10月下旬に開催する予定。県内外の飲食店が参加し、課題食材を使って料理を競う。
長島町は養殖ブリ「鰤王」などで有名だが町内に大学や高校がなく、さらなる特産品振興や新しい人の流れの創出が課題になっている。土井氏は「町の基幹産業である農業や漁業の収益力向上は重要な課題。地域商社を通じて1次産品の付加価値を一段と高め、町の活性化につなげたい」と話している。